筋肉痛が起こる原因って?
肩こりに似ている「筋肉痛」のメカニズム
筋肉痛は誰もが経験したことがあると思いますが、
筋肉痛とは、激しい運動により傷ついた「筋繊維」が、回復過程で炎症を起こしている状態なのです。
なので、練習や筋トレ後に筋肉痛になるということは、筋肉がトレーニングにより壊れてしまった、とうことです。
このメカニズムは肩こりとよく似ています。
筋肉には、骨についている「骨格筋」、心臓を動かす「心筋」、内臓や血管を形づくる「内臓筋」の3種類があり、
このうち、筋肉痛が起こるのは骨格筋で、その数は400種類以上にのぼります。
筋肉痛の原因
筋肉痛のメカニズムは、医学的にははっきりと解明されていませんが、いくつか説があります。
これまでは疲労物質といわれる「乳酸」を原因とする説が一般的で、
運動中、激しい筋収縮によって、筋肉への酸素供給が間に合わなくなると、
エネルギー源である「ブドウ糖」が不完全燃焼を起こします。
この時、燃えカスのような状態で残った乳酸の量が多いと、代謝されずに筋肉中にたまってしまいます。
乳酸がたまった筋肉は縮んでしまうため、筋肉中を通っている血管を押しつぶすような状態になり、
血行を妨げます。
その結果、疲労感やからだの重さ、だるさなどを引き起こすという説です。
一方、最近では、血液中の乳酸値は運動後すぐに低下することがわかり、
乳酸を原因とする説との矛盾が指摘されています。
現在の有力な説としては、損傷した筋繊維やその周辺組織が回復過程で炎症を起こし、
その際に発生する「痛み物質」が筋膜を刺激するためと考えられています。
なぜ、運動したその日ではなく、次の日に筋肉痛が起こるのか。
これにも色々な研究結果があり、はっきりとは解明されていないのですが、
一説によると、筋肉が壊れるとはやく元通りにしようとして体の血管が一生懸命働き、
筋肉が傷ついてから約1日~3日くらいかけて少しずつ修復するため、
その修復する過程で血の流れが激しくなり、神経を刺激するので痛くなると言われています。
筋肉痛は、普通であれば2、3日で治るはずですが、それ以上長引くケースもあります。
それはおそらく筋肉が深いダメージを受けた場合なので、
無理に動かさず、激しいトレーニングもしばらくお休みしてください。
筋肉痛は誰でもなってしまう症状ですが、実は筋肉が深い損傷を負い、
治療が必要な場合もあるのでそこは注意してください。
筋肉痛のタイプ
筋肉痛には以下の2つのタイプがあります。
1. 筋疲労
「筋疲労」とは、激しい運動をしたあと、酷使した部分の筋肉がかたくこわばって、
動かすと痛みを感じる症状のことを言います。
年を取ると筋肉痛の発生が遅くなるのは、加齢にともなう血流の循環機能の低下と
関係しているのではないかと考えられています。
2. 筋損傷
「筋損傷」は、普段使わない筋肉を突然使うことで筋繊維が損傷し、炎症を起こす症状のことです。
筋疲労よりも症状が重く、肉離れのように、自力で歩けないほどの痛みをともなうこともあります。